平成28年(2016年)2月6日完成。
題名「琵琶法師」 (びわほうし)
琵琶法師として一番知られているのが小泉八雲の小説「怪談」による、耳なし芳一と思われます。
琵琶法師は琵琶を街中で弾く盲目の僧である。琵琶を弾くことを職業とした盲目僧の芸人で、平安中期におこりました。
鎌倉時代には(祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響き有り)で始まる「平家物語」を琵琶の伴奏に合わせて語る平曲が、完成しました。
この時代に経文を唱える盲僧琵琶と平家物語を語る平家琵琶に分かれました。
私の作品は平家琵琶法師です。
以前制作した、女性の盲目者の瞽女(ごぜ)と共通する盲目者にとって生きていくことが想像を絶するほどの過酷な時代だったと思います。
食糧事情により男女ともかなりの盲目者がいたと思います。
芸を身につけなければ生きていけない時代です。
全国を放浪しながら芸を売りその日の糧を得ていたのです。
現代では想像もできない過酷な人生だと思います。
私の作品も無我の境地で琵琶を吟じ、物体となり、自然と融合することにより、ヤモリ、ネズミの小動物が警戒心を持つことなくそばに寄ってくるという状況を表したものです。